先週の土曜日は渋谷にいた
雑多な若者の街、場違いな思いをしながら懐かしさで嬉しかった
東口を出てすぐ前の小さなビルの7階には他の歯科医院の看板があった
私が大学を卒業して基礎の教室に残るはめになり何とか臨床をやりたくて教授にバイトの許可を求めた
許可を得た後「お前はなんという奴だ、俺達だって怖くて言えなかったのに・・」
先輩はしばらくしていそいそと自分もバイトをし始めた
大学の助手の安い給料のせいもあるが、せっかく歯科医師の免許を取ったのにという思いと既に歯科医院で働き始めた友人達に技術で立ち遅れたくないあせりもあった
バイト先の独身でオカマの院長の所には渋谷という街の場所柄もあり芸能人や高給取りの患者さんも来ていた
院長が亡くなったのは相当昔の筈だがそこには別の歯科医院が入っていた
土曜日の正午になると私は一目散に渋谷に行き診療の手伝いをした
そこには同級生の友人が勤めており私はまだ一人前ではなかったので印象を採ったりデンタルを撮ったり準備や後片付けをした
診療が終わると友人やスタッフと夜の街に繰り出していった
懐かしい青春時代の思い出・・ほろ苦くもあり活気があり全てが新鮮だった時代
日曜日のセミナーの会場が恵比寿だったので渋谷に宿をとったのだが本当に懐かしかった
早朝散歩していたら千鳥足の若者とすれ違った
フラフラしてアッぶつかると思った瞬間、若者は薄目を開けまたフラフラと去っていった
35年前の自分がいた